INTRODUCTION
ハイクラス向けの人材紹介とは、年収や役職の高い管理職・専門職を、厚生労働大臣の許可を受けた紹介会社に紹介してもらう採用手法です。
採用が決まったときにだけ手数料を払う成功報酬型が基本で、管理職・専門職の手数料率は理論年収の30%台が中心になっています。
この記事では、ハイクラス人材紹介の仕組み、職業安定法にもとづく手数料のルールと相場、ほかの採用手法との使い分け、紹介会社を見極めるチェックポイントを、厚生労働省の一次情報をもとに解説します。
管理部門・士業のハイクラス採用に強い紹介会社や、推薦を増やす進め方もあわせて紹介します。
この記事の要点
- 手数料は成功報酬型が基本で、管理職・専門職では理論年収の30%台が中心です
- 紹介会社は「専門領域」「人材サービス総合サイトの公開情報」「返戻金規定」の3点で見極めます
- 要件定義と選考スピードを整えると、推薦の量と質が変わります
ハイクラス向け人材紹介の基本|成功報酬型で採用できる手法
ハイクラス人材紹介は、一般的な人材紹介のうち、年収や役職の高いポジションを主に扱うサービスを指します。
法律上の区分は通常の人材紹介と同じ「有料職業紹介事業」で、特別な許可や制度があるわけではありません。
違いが出るのは、紹介会社が持つ候補者の層と、候補者を探す方法です。まずは基本の仕組みを整理します。
ハイクラス人材は年収だけでなく担う役割で決まる
ハイクラス人材に法律上の定義はありません。転職市場では年収600万円以上、あるいは800万円以上を目安にするサービスが多いものの、企業側から見ると、年収よりも「どんな役割を任せるか」で考えたほうが採用要件を立てやすくなります。
公的な賃金統計で役職ごとの水準を確認しておくと、目安を置きやすくなります。厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査によると、雇用期間の定めのない一般労働者の所定内給与(残業代や賞与を除く月額)は、部長級が63万5,800円、課長級が52万9,200円でした。平均年齢は部長級が53.1歳、課長級が49.5歳です。
[参照元]令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況(役職別にみた賃金)|厚生労働省
所定内給与を12か月分にすると、部長級で約763万円、課長級で約635万円になります。これに賞与が加わるため、年収800万〜1,000万円クラスの採用は、課長級から部長級の役割を外部から迎える採用と重なることが多いと考えられます。
採用要件を立てるときは、年収レンジを先に決めるのではありません。「どの部門を、何人規模で、どんな成果まで責任を持って率いるか」という役割を先に言語化しておくと、紹介会社も候補者を探しやすくなります。
人材紹介は採用が決まったときだけ費用が発生する
人材紹介の多くは、紹介した候補者が入社したときにだけ手数料が発生する成功報酬型です。求人を出しただけ、面接をしただけでは費用はかかりません。
職業安定法では、紹介会社が企業から受け取れる手数料の決め方として「上限制手数料」と「届出制手数料」の2つが定められています。
詳しくは手数料の章で説明しますが、実務では届出制が主流です。厚生労働省が2021年に公表した職業紹介事業者への調査では、回答した有料職業紹介事業者の74.7%が届出制手数料を採用しており、上限制は18.9%でした。
[参照元]採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査 結果の概要|厚生労働省
成功報酬型のよいところは、採用できなかった場合に費用が残らない点です。
一方で、紹介会社の側から見ると、成約しなければ売上にならない仕組みでもあります。
紹介会社は、決まりやすい求人に担当者の時間を優先的に配分しがちです。そのため、ハイクラス採用では企業側が「この求人は決まる」と紹介会社に思ってもらえるだけの情報を出せるかどうかが、推薦の量に影響します。
登録型とサーチ型の2つの紹介形態がある
人材紹介は、候補者を集める方法によって大きく2つに分かれます。
- 登録型:転職を希望して紹介会社に登録した人の中から、求人に合う人を紹介する形です
- サーチ型:紹介会社が企業の依頼を受け、転職活動をしていない人も含めて候補者を探し出し、声をかける形です。ヘッドハンティングとも呼ばれます
厚生労働省の同じ調査では、職業紹介事業者のうち登録型を行っている事業者が86.8%、サーチ型を行っている事業者が24.5%でした(複数回答)。
[参照元]採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査 結果の概要|厚生労働省
数字から分かるとおり、紹介会社の大半は登録型を軸にしています。部長・課長クラスの採用であれば、まずは登録型で十分な母集団を確保できるケースが多いでしょう。
一方、CxOや役員候補のように候補者がごく限られるポジションや、競合他社の特定部門の経験者を狙う採用では、サーチ型を検討する価値があります。
依頼する前に、その紹介会社がどちらの形で候補者を集めているのかを確認しておきましょう。
両面型か分業型かで、企業に届く候補者情報の深さが変わる
紹介会社の担当体制にも2つの型があります。1人の担当者が企業と候補者の両方を受け持つ「両面型」と、企業担当(リクルーティングアドバイザー)と候補者担当(キャリアアドバイザー)を分ける「分業型」です。
両面型は、企業の事情を直接聞いた担当者が、そのまま候補者にも説明します。
そのため、事業の課題や組織の雰囲気といった求人票に書きにくい情報が候補者に伝わりやすくなります。担当者が候補者と直接会っているので、推薦文に書かれた強みの裏付けも聞き出しやすい点が特徴です。
その反面、1人が抱えられる案件には限りがあり、候補者の母数では分業型の大手に及ばないことがあります。
分業型は役割を分けることで多くの求人と候補者をさばけるので、母集団の広さで有利です。ただし、企業担当と候補者担当のあいだで情報の伝言が生じるため、求人の魅力や細かな要件がどこまで候補者に伝わっているかは、担当者に確認しておく必要があります。
ハイクラス採用は、1人の採用ミスが組織に与える影響が大きいため、どちらの型でも「推薦した候補者に担当者が直接会っているか」「自社の説明をどこまで候補者に伝えたか」を確認しておくと安心です。
有料職業紹介は厚生労働大臣の許可を受けた事業者しか行えない
企業から手数料を受け取って人材を紹介する事業は、職業安定法第30条にもとづき、厚生労働大臣の許可を受けなければ行えません。許可の有効期間は新規が3年、更新後が5年で、期間ごとに審査を受け直す仕組みになっています。
[参照元]職業紹介事業パンフレット-許可・更新等手続マニュアル-(令和7年4月)|厚生労働省
許可を受けた事業所は、厚生労働省が運営する「人材サービス総合サイト」に掲載されます。サイトでは許可番号や取扱職種の範囲に加え、紹介による就職者数、6か月以内の離職者数、手数料、返戻金制度といった情報を確認できます。行政処分を受けた事業所はその内容も掲載されます。
[参照元]人材サービス総合サイト - トップページ
ハイクラス採用では、知人の紹介やSNS経由で個人のヘッドハンターから連絡が来ることもあります。
手数料を払って紹介を受ける場合は、相手が許可を受けた事業者かどうかを、契約前にこのサイトで確かめておきましょう。
ハイクラス人材の採用に人材紹介が使われる理由|採用市場の構造から説明できます
管理職や専門職の採用で人材紹介が選ばれるのは、単に「手間が省けるから」ではありません。
ハイクラス人材がどこにいて、どう動くのかという採用市場の構造を見ると、公開の求人だけでは届きにくい理由が見えてきます。ここでは公的統計をもとに、その背景を整理します。
ハローワークには管理職の求人がほとんど集まっていない
厚生労働省の一般職業紹介状況(令和8年8月分)によると、ハローワークの常用の有効求人約203万件のうち、管理的職業従事者の有効求人は4,955件でした。全体の0.3%に満たない水準で、有効求人倍率も0.81倍にとどまっています。
一方、専門的・技術的職業従事者の有効求人倍率は1.73倍と、職業計の1.06倍を大きく上回っていました。
[参照元]一般職業紹介状況(令和8年8月分)参考統計表|厚生労働省
この数字はハローワークを通じた求人・求職に限ったものです。そのため、管理職の採用需要そのものが小さいと読むのは早計でしょう。
むしろ、管理職の採用はハローワークのような公開の窓口ではほとんど流通しておらず、人材紹介やスカウトといった民間のチャネルで行われていると読み取れます。
専門職の求人倍率の高さは、資格や実務経験を持つ人材の取り合いがすでに起きていることを示しています。公開求人を出して待つだけでは、他社に先を越されやすい市場だと考えておくべきです。
転職を考えていても実際には動いていない層が厚い
総務省統計局によると、2025年の転職者数は330万人でした。
これに対し、今の仕事を辞めてほかの仕事に変わりたい、または別の仕事もしたいと考える「転職等希望者」は1,023万人にのぼり、比較できる2013年以降で過去最多になっています。
[参照元]明日への統計2026 労働のようす|総務省統計局
つまり、転職を考えている人の多くは、実際には転職していません。ハイクラス人材ほど現職で重要な役割を担っているため、自分から求人サイトを探し回ることは少なく、条件の合う話が来たときにだけ動く人が多いと考えられます。
人材紹介会社は、こうした「今すぐではないが、よい話なら聞きたい」層と日常的に接点を持っています。
登録型の紹介会社は過去に相談に来た人へ、サーチ型の紹介会社は転職活動をしていない人へ直接声をかけられます。公開求人では届かない層にアプローチできる点が、ハイクラス採用で人材紹介が使われる大きな理由です。
ポジションを公開できない採用にも対応できる
ハイクラス採用には、社外に知られたくない事情を抱えた求人が少なくありません。
たとえば、現任者の交代を前提にした後任採用、新規事業や海外進出に向けた責任者の採用、IPO準備のためのCFOや内部監査責任者の採用などです。
求人広告に出すと、社内外に経営上の計画が伝わってしまうおそれがあります。
人材紹介であれば、企業名や詳細を伏せた状態で候補者に打診し、関心を示した人にだけ詳しい情報を開示する進め方ができます。紹介会社は職業安定法上、業務で知った秘密を守る義務を負っているため、守秘義務の範囲を契約で確認したうえで任せられます。
もちろん、非公開にすれば必ず採用できるわけではありません。
候補者は判断材料が少ないと応募を見送りやすくなるため、どの段階で何を開示するかを紹介会社と事前に決めておくことが大切です。
年収や条件の交渉を第三者が仲介できる
ハイクラス人材の採用では、年収だけでなく、役職、裁量の範囲、ストックオプション、入社時期、現職の引き継ぎ期間など、調整すべき条件が多くなります。
企業と候補者が直接やり取りすると、候補者は「希望を強く伝えると心証が悪くなるのでは」と遠慮しがちです。企業側も、どこまで条件を上げれば承諾してもらえるのかが分かりにくくなります。
紹介会社が間に入ると、候補者が直接は言いにくい本音や、他社の選考状況を聞き出したうえで企業に伝えられます。
企業としても、提示額が候補者の期待と大きくずれていないかを、内定を出す前に確かめられるので安心です。
ただし、紹介会社の手数料は候補者の年収に連動するのが一般的です。
年収交渉については、紹介会社の提案をそのまま受け入れるのではなく、社内の等級や既存社員とのバランスを踏まえて自社で判断する姿勢を持っておきましょう。
経営陣や人事の採用工数を外部に任せられる
ハイクラス採用は、1ポジションに数か月かかることも珍しくありません。
候補者の探索、書類の確認、面接日程の調整、条件交渉、内定後のフォローまでを自社だけで進めると、人事担当者だけでなく、面接に入る経営陣の時間も大きく取られます。
人材紹介を使えば、このうち候補者の探索と一次的な見極め、日程調整、条件のすり合わせを紹介会社に任せられます。
社内は「会うべき候補者に会い、決めるべきことを決める」部分に時間を集中できます。
とくに、人事部門の体制が小さい成長企業や、管理部門の責任者そのものを採用したい企業では、採用の実務を担う人がいないことも多いはずです。
このような場合は、採用の進め方そのものを紹介会社に相談しながら進めると、選考の抜け漏れを防ぎやすくなります。
ハイクラス人材紹介の手数料相場【理論年収の30〜35%が目安】
人材紹介の費用は、多くの場合、入社した人の年収に一定の料率を掛けて計算します。
ハイクラス採用では年収が高い分、1名あたりの手数料も大きくなるため、相場と仕組みを理解したうえで予算を組むことが欠かせません。
ここでは、法律上のルール、実際の料率の分布、費用の計算方法、返金の仕組みを順に説明します。
職業安定法では上限制手数料と届出制手数料の2つが定められている
紹介会社が企業から受け取る手数料には、職業安定法で2つの決め方が定められています。
| 区分 | 内容 | 届出 |
|---|---|---|
| 上限制手数料 | 支払われた賃金の11%(免税事業者は10.3%)まで。6か月を超えて無期雇用された場合は、6か月分の賃金を基準に計算する | 不要 |
| 届出制手数料 | 紹介会社が自ら手数料表を定め、厚生労働大臣に届け出た額を徴収する | 必要 |
[参照元]職業紹介事業パンフレット-許可・更新等手続マニュアル-(令和7年4月)|厚生労働省
上限制手数料は、6か月分の賃金に対する割合で計算するため、年収ベースに直すと数%程度になります。
これに対して届出制手数料は、紹介会社が料率を自由に設定できるため、年収の30%前後といった水準になるのが一般的です。先に紹介したとおり、有料職業紹介事業者の7割以上が届出制を採用しています。
届出制だからといって、どんな額でも請求できるわけではありません。
手数料表の内容が特定の企業を不当に差別していたり、手数料に関する事項が明確に定められていなかったりする場合、厚生労働大臣は変更を命じられます。
契約前には、その紹介会社が届け出ている手数料表を確認しておきましょう。
管理職・専門職の手数料率は年収の30%台が中心になっている
実際の料率について、厚生労働省の調査では職種別の数値が示されています。
年収に対する手数料率の平均は、経営管理者で32.8%、研究職・技術職・専門職で31.3%でした。
経営管理者では、手数料率が30%台の事業者が77.2%を占めています。
[参照元]採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査 結果の概要|厚生労働省
| 職種 | 手数料率の平均 | 最も多い料率 | 30%台の事業者の割合 |
|---|---|---|---|
| 経営管理者 | 32.8% | 30.0% | 77.2% |
| 研究職・技術職・専門職 | 31.3% | 30.0% | 70.3% |
| 事務的職種 | 26.1% | 30.0% | 44.4% |
同じ調査で、事務的職種の平均は26.1%でした。管理職や専門職の手数料率が一般的な職種より高めになるのは、候補者が少なく、1件の紹介にかかる探索や交渉の手間が大きいためと考えられます。
この調査は令和3年(2021年)に実施されたものです。さらに令和7年4月からは、紹介会社が職種ごとの平均手数料率の実績を人材サービス総合サイトに公開することが義務になりました。
依頼を検討している紹介会社の最新の実績は、同サイトで確認するのが確実です。
[参照元]紹介手数料率の実績の公開と違約金規約の明示が必要になります|厚生労働省
理論年収をもとに計算すると費用を見積もれる
届出制手数料の多くは、入社する人の「理論年収」に料率を掛けて計算します。
理論年収とは、入社後1年間に支払われる見込みの賃金の総額で、月給の12か月分に賞与や各種手当を加えたものを指すのが一般的です。
厚生労働省が紹介会社に公開を求めている平均手数料率も、この「1年間に支払われることが見込まれる賃金額」を分母にして計算します。
料率30%と35%で、年収ごとの手数料を計算すると次のとおりです(消費税は別)。
| 理論年収 | 料率30%の場合 | 料率35%の場合 |
|---|---|---|
| 800万円 | 240万円 | 280万円 |
| 1,000万円 | 300万円 | 350万円 |
| 1,200万円 | 360万円 | 420万円 |
| 1,500万円 | 450万円 | 525万円 |
注意したいのは、理論年収に何を含めるかが契約によって異なる点です。
固定残業代や役職手当、インセンティブ、ストックオプションを含めるかどうかで、手数料は数十万円単位で変わります。
また、内定後に年収交渉で提示額が上がれば、手数料もそれに連動して上がります。予算を組むときは、想定年収の上振れも見込んでおきましょう。
最低手数料や料率の上限は紹介会社ごとに違う
届出制手数料は紹介会社ごとに定めるため、料率だけでなく、最低手数料(年収にかかわらず請求する下限額)や料率の上限も会社によって異なります。
たとえば、IT領域の紹介会社であるGeeklyは、届け出ている手数料の上限を年間賃金の200%、最低料金を100万円と公開しています。
そのうえで、実際の手数料率の実績は下限30%、上限200%だったと示しています。手数料表に書かれているのはあくまで上限で、実際の料率は企業との個別契約で決まるという点も明記されています。
[参照元]届出制手数料に係る手数料表(上限額)|Geekly
このように、届け出た手数料表は上限を示すもので、実際の料率は企業ごとの契約で決まるのが一般的です。
ハイクラス採用では、次の点を契約前に書面で確認しておきましょう。
- 基本の料率と、年収帯によって料率が変わる設定があるか
- 最低手数料の有無と金額
- 理論年収に含める手当・賞与の範囲
- 内定後に年収が上がった場合の手数料の扱い
返戻金規定は「何か月以内に何%戻るか」を確認する
返戻金とは、紹介で入社した人が早期に退職した場合に、受け取った手数料の一部または全部を紹介会社が企業に返す制度です。
職業安定法にもとづく指針では、有料職業紹介事業者は返戻金制度を設けることが望ましいとされています。
厚生労働省の調査では、早期離職時に手数料の一部または全部を返す制度があると答えた事業者が67.2%でした。
一方で、特に補償の制度がない事業者も26.2%ありました。補償の対象となる期間は「4〜6か月」が44.5%、「3か月」が42.7%で、この2つでほぼ9割を占めています。
[参照元]採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査 結果の概要|厚生労働省
返戻率は、退職までの期間が短いほど高くなるのが一般的です。
たとえばBEET-AGENTや、ハイスタ(会計士/税理士)の採用相談を受け付けるアシロの士業採用窓口は、取引先ごとに期間と料率を定めるとしたうえで、通常は1か月以内の退職で80%、3か月以内の退職で50%を返す規定を公開しています。
返戻金があっても、手数料が全額戻るわけではありません。また、試用期間中の退職か、企業都合の解雇かなど、退職の理由によっては対象外になる契約もあります。
返戻の対象期間、期間ごとの返戻率、対象外となる退職理由の3点は、契約前に必ず確認しておきましょう。
人材紹介とほかの採用手法6つを比較|費用・スピード・確度で使い分け
ハイクラス人材を採用する方法は、人材紹介だけではありません。
費用の発生の仕方、採用までのスピード、社内でかかる工数がそれぞれ異なるため、ポジションの性質に合わせて使い分けることが大切です。
ここでは代表的な6つの手法を比べたうえで、どの採用にどの手法が向くのかを整理します。
6つの採用手法を費用とスピードで比べる
ハイクラス採用で使われる主な手法を、費用の発生の仕方、自社の工数、向いている採用の3つの観点で比べると次のとおりです。
| 採用手法 | 費用の発生の仕方 | 自社の工数 | 向いている採用 |
|---|---|---|---|
| 人材紹介(登録型) | 入社時に成功報酬(理論年収×料率) | 小さい | 部長・課長クラス、専門職 |
| エグゼクティブサーチ(サーチ型) | 着手金と成功報酬を組み合わせる契約が多い | 小さい | CxO、役員候補、ごく少数しかいない経験者 |
| ダイレクトリクルーティング | 利用料と成功報酬の組み合わせなどサービスごとに異なる | 大きい | 自社で候補者を口説ける採用、複数名の採用 |
| 求人広告 | 掲載料(掲載期間や枠に応じて発生) | 中程度 | 応募が集まりやすい職種・知名度のある企業 |
| リファラル採用 | 社内の紹介制度の範囲(紹介者への報奨金など) | 中程度 | 社員の人脈に候補者がいる採用 |
| 社外役員・顧問の紹介 | サービスごとに異なる | 小さい | 社外取締役・監査役、期間限定の専門家 |
費用や工数は、利用するサービスや契約内容によって変わります。
表はあくまで傾向を示したもので、正確な費用は各社の料金表や契約書で確認してください。
一般的に、自社の工数を小さくしたいほど外部に支払う費用は大きくなり、費用を抑えたいほど社内で候補者を探して口説く手間が増えます。
ハイクラス採用では、「どのくらい急いでいるか」と「社内に採用を担える人がいるか」の2つを軸に手法を選ぶと判断しやすくなります。
人材紹介|要件が固まっていて社内の工数を割けない採用に向いている
人材紹介がもっとも力を発揮するのは、採用したい人物像がはっきりしているにもかかわらず、社内に候補者を探す時間や人手がない場合です。
経理部長の退職に伴う後任採用や、IPO準備に向けた内部監査責任者の採用のように、期限があり、求める経験も明確なポジションが典型です。
人材紹介は成功報酬型なので、採用できなければ費用がかからない点も、期限付きの採用と相性がよい理由です。
複数の紹介会社に同時に依頼すれば、それぞれの登録者から候補者を集められるため、母集団を短期間で広げられます。
一方で、要件があいまいなまま依頼すると、紹介会社は誰を推薦すればよいか判断できません。
「経営企画ができる人」ではなく、「中期経営計画の策定を主導した経験があり、予算管理を部門横断で回した人」というところまで要件を落とし込んでから依頼すると、推薦の精度が上がります。
ダイレクトリクルーティング|自社で候補者を口説ける採用に向いている
ダイレクトリクルーティングは、企業が人材データベースを自ら検索し、候補者に直接スカウトを送る手法です。
紹介会社を介さないため、候補者の経歴を自分の目で確かめながら、狙った人に直接アプローチできます。
ビズリーチの法人向けサービスでは、2026年4月末時点でスカウト可能な会員が342万人以上いるとしています。また、採用予定人数や時期に合わせて4つの料金プランから選べる仕組みを公開しています。
[参照元]【公式】法人向けビズリーチ|即戦力採用を検討中の企業担当者様向け
この手法が向いているのは、経営者や事業責任者が自ら候補者と話し、事業の魅力を語れる企業です。
ハイクラス人材はスカウトを数多く受け取っているため、定型文のスカウトでは返信が来にくい傾向があります。候補者の経歴を読み込み、「なぜあなたに声をかけたのか」を具体的に書ける体制があるかどうかが、成果を左右します。
逆に、人事担当者が1人で複数の採用を抱えている企業では、スカウト文の作成や日程調整に手が回らず、利用料だけがかかってしまうこともあります。社内の体制と照らし合わせて判断しましょう。
エグゼクティブサーチ|CxOや役員候補の採用に向いている
エグゼクティブサーチは、サーチ型の紹介会社が企業の依頼を受けて、転職活動をしていない人も含めて候補者を探し出す手法です。登録者の中から探す登録型と違い、業界の人脈や公開情報をもとに、現職で活躍している人に直接声をかけます。
CFOやCOOといった経営幹部、あるいは特定の業界・技術に精通した事業責任者のように、そもそも候補者が国内に数十人規模しかいないポジションでは、登録型の紹介会社に依頼しても候補者が見つからないことがあります。このような場合は、サーチ型に依頼する価値があります。
サーチ型は探索に時間と人手がかかるため、成功報酬だけでなく、依頼時に着手金を設定する契約も見られます。採用に至らなくても着手金が戻らない契約もあるため、費用の発生条件は契約前に必ず確認してください。
また、前述の厚生労働省の調査ではサーチ型を行っている事業者は24.5%にとどまっており、依頼先の選択肢は登録型より限られる点も押さえておきましょう。
社外取締役や監査役は従業員の採用とは別の手続きで考える
ハイクラス人材の確保には、従業員として雇用するだけでなく、社外取締役や監査役として経営に関わってもらう方法もあります。
取締役や監査役は株主総会で選任される役員なので、従業員の採用とは手続きもスケジュールも異なります。
とくに上場企業では、独立社外取締役の確保が重要な経営課題になっています。2021年改訂のコーポレートガバナンス・コードでは、プライム市場の上場会社に独立社外取締役を3分の1以上選任することが求められました。
第一ライフ資産運用経済研究所によると、独立社外取締役が取締役の過半数を占めるプライム市場上場会社の割合は、2026年8月上旬時点で30.3%に達しています。
[参照元]プライム市場の独立社外取締役過半会社は3割を超えた ~継続上場会社にみる増加の実態~|第一ライフ資産運用経済研究所
社外役員の候補者は、弁護士や公認会計士、他社の経営経験者など、本業を持ちながら兼任する人が中心です。
一般的な人材紹介の登録者層とは重ならないことが多いため、社外役員の紹介に特化したサービスを使うほうが候補者に出会いやすくなります。株主総会の招集通知に候補者を載せるまでの期間を逆算し、余裕を持って動き出しましょう。
手法を併用するときは役割を分けると重複が起きにくい
ハイクラス採用では、1つの手法だけに頼らず、複数を組み合わせるのが一般的です。
ただし、何も決めずに併用すると、同じ候補者が複数の紹介会社から推薦されたり、自社でスカウトを送った人が紹介会社経由でも応募してきたりして、手数料の支払先をめぐるトラブルにつながることがあります。
併用するときは、次のように役割を分けておくと混乱を防げます。
- 紹介会社ごとに得意な職種や年収帯を分けて依頼する
- 推薦を受けた候補者の氏名と受付日を一覧で管理し、重複推薦はどちらを優先するかを先に決めておく
- ダイレクトリクルーティングで接触済みの候補者は、紹介会社に共有して推薦の対象から外してもらう
MS-Japanのように、同じ会社が人材紹介とダイレクトリクルーティングの両方を提供している場合もあります。
同社は、2つのサービスを同時に依頼することもできると公式サイトで案内しています。窓口を1社にまとめれば、候補者の重複管理を任せやすくなります。
[参照元]求人企業の皆様へ|管理部門・士業の採用ならMS-Japan
ハイクラス向け人材紹介会社の選び方|失敗しないための6つのチェックポイント
人材紹介会社は全国に数多くあり、ホームページだけでは違いが分かりにくいのが実情です。
ただ、職業安定法の改正によって、紹介会社が公開しなければならない情報は年々増えています。
ここでは、公的な情報と契約書で確認できる6つのポイントに絞って、依頼先の見極め方を解説します。
採用したい職種で、総合型か特化型かを選ぶ
紹介会社は、幅広い業界・職種を扱う総合型と、特定の職種や業界に絞った特化型に分かれます。
ハイクラス採用では、まず採用したい職種に強い特化型があるかを確認し、なければ総合型のハイクラス部門を候補にするのが効率的です。
特化型の利点は、候補者の専門性を見極める力にあります。たとえば企業内弁護士の採用では、候補者がどの分野の案件を何年扱ってきたか、企業法務と一般民事のどちらが中心だったかで、入社後の活躍度合いが大きく変わります。
こうした違いを書類だけで判断するのは難しく、同じ職種の転職を日常的に支援している担当者のほうが、推薦の段階で候補者を絞り込めます。
総合型の利点は、登録者の母数と、職種をまたいだ提案力です。「経理経験のある経営企画責任者」のように複数の職種にまたがる人材を探すときは、総合型のほうが候補者を見つけやすいこともあります。
依頼前の打ち合わせでは、「この職種で直近1年に何名を紹介し、何名が入社したか」を聞いてみてください。具体的な数字で答えられるかどうかで、その領域の実績を判断できます。
人材サービス総合サイトで許可番号と紹介実績を調べる
依頼先の候補が決まったら、厚生労働省の人材サービス総合サイトで、その紹介会社を検索してみましょう。許可番号や取扱職種の範囲に加えて、職業安定法にもとづき公開が義務づけられている次の情報を確認できます。
- 紹介によって就職した人の数と、そのうち無期雇用で就職した人の数
- 無期雇用で就職した人のうち、6か月以内に離職した人の数
- 手数料に関する事項
- 返戻金制度に関する事項
[参照元]職業紹介事業パンフレット-許可・更新等手続マニュアル-(令和7年4月)|厚生労働省
就職者数に対して6か月以内の離職者数が多い紹介会社は、入社後のミスマッチが起きやすい可能性があります。
数字だけで判断するのは避けたいところですが、打ち合わせのときに「離職が出た理由と、その後の改善策」を質問する材料として使えます。
また、行政処分を受けた事業所はその内容がサイトに掲載され、職業紹介優良事業者の認定を受けている事業所には認定マークが表示されます。契約前に一度は目を通しておくと安心です。
職種別の平均手数料率と返戻金規定を比べる
令和7年4月から、有料職業紹介事業者は、常用就職の実績が多い上位5職種について、職種ごとの平均手数料率の実績を人材サービス総合サイトで公開することになりました。
平均手数料率は、徴収した手数料の総額を、就職した人の予定年収の総額で割って計算します。
[参照元]紹介手数料率の実績の公開と違約金規約の明示が必要になります|厚生労働省
これまで企業側は、紹介会社が提示する料率が相場と比べて高いのか低いのかを判断しにくい状況にありました。
実績値が公開されたことで、見積もりで提示された料率と、その会社が実際に受け取っている平均料率を比べられるようになっています。提示された料率が実績より高い場合は、根拠を聞いたうえで交渉の材料にできます。
返戻金規定も、紹介会社ごとに対象期間と返戻率が違います。手数料率だけでなく、「入社後何か月以内の退職なら何%戻るか」をセットで比べると、早期離職のリスクを含めた実質的な費用で依頼先を選べます。
担当者が候補者と直接面談しているかを確認する
ハイクラス採用で推薦の質を左右するのは、担当者が候補者とどれだけ深く話しているかです。
紹介会社によっては、データベースで条件が合った人の書類をそのまま企業に送るケースもあります。こうした推薦では、候補者の転職理由や希望条件の優先順位が分からず、面接の段階で条件が合わないことが判明して辞退に終わりがちです。
依頼前の打ち合わせでは、次の点を確認しておくとよいでしょう。
- 推薦前に、担当者が候補者と面談しているか
- 推薦文には、転職理由や他社の選考状況まで書かれるか
- 企業の説明を、担当者自身が候補者に直接伝えているか
先に説明した両面型の紹介会社は、企業と候補者の両方を同じ担当者が受け持つため、これらの点を確認しやすい傾向があります。
分業型の紹介会社に依頼する場合も、候補者担当と直接話す機会をもらえるかを聞いてみてください。
転職勧奨の禁止などのルールを守っているかを見る
令和7年1月から、職業安定法の指針に定められていた「転職勧奨の禁止」と「お祝い金等の提供の禁止」が、職業紹介事業の許可条件に加わりました。
紹介会社は、自社の紹介で無期雇用として就職した人に対して、就職した日から2年間は転職を勧めてはいけません。また、お祝い金などの名目で、社会通念上相当な程度を超える金銭を求職者に渡して登録を勧めることも禁じられています。
[参照元]職業紹介事業の許可条件が追加されます(2025年1月1日施行)|厚生労働省
企業側にとって、このルールは重要な意味を持ちます。高い手数料を払って採用した人材が、同じ紹介会社から短期間で転職を持ちかけられるといった事態を防ぐ仕組みだからです。
契約時には、紹介会社の業務運営規程や利用規約で、紹介した人材への転職勧奨をしないことが明記されているかを確認しましょう。
「入社後も継続してキャリア相談に乗ります」とうたう紹介会社もありますが、その相談がどこまでの範囲なのかも聞いておくと安心です。
契約前に料率・最低報酬・直接応募時の扱いを書面で確かめる
紹介会社と結ぶ契約書(人材紹介基本契約書)は、紹介会社が用意したひな形を使うことがほとんどです。
ハイクラス採用は1名あたりの手数料が大きいため、次の項目は契約前に必ず書面で確かめてください。
| 確認項目 | 確認するポイント |
|---|---|
| 手数料率と算定基礎 | 理論年収に含める手当・賞与・インセンティブの範囲 |
| 最低手数料 | 年収にかかわらず請求される下限額の有無 |
| 返戻金 | 対象期間、期間ごとの返戻率、対象外となる退職理由 |
| 直接応募時の扱い | 紹介された候補者が後から直接応募した場合も手数料が発生するか、その期間 |
| 違約金 | 違約金規約の有無と、発生する条件・金額 |
違約金については、令和7年4月から、紹介会社が違約金規約を設けている場合には、求人の申込みを受けた際に企業に明示することが求められています。
[参照元]紹介手数料率の実績の公開と違約金規約の明示が必要になります|厚生労働省
なかでもトラブルになりやすいのが、直接応募時の扱いです。紹介を受けた候補者を一度見送り、数か月後にその人が自社サイトから応募してきた場合でも、契約によっては手数料が発生します。
対象期間を確認し、社内の採用担当者全員に共有しておきましょう。
【目的別】ハイクラス採用に強い人材紹介会社・採用サービス7選
ここからは、管理部門・士業・経営幹部・社外役員のハイクラス採用で、依頼先の候補になる人材紹介会社と採用サービスを7つ紹介します。
いずれも企業向けの公式サイトで公開されている情報をもとにまとめています。手数料率は採用する職種や年収によって変わるため、実際の条件は各社に問い合わせて確認してください。
| サービス名 | 得意な採用領域 | 形態 |
|---|---|---|
| BEET-AGENT | 管理部門・士業(担当者〜CxO・社外役員) | 人材紹介(両手型) |
| EXE[エグゼ] | 社外取締役・監査役 | 社外役員の紹介 |
| JACリクルートメント | 管理職・専門職・経営幹部、外資系・グローバル | 人材紹介(両面型) |
| ビズリーチ | 職種を問わない即戦力人材 | ダイレクトリクルーティング |
| パソナキャリア | 年収700万円以上のハイクラス、管理部門、女性管理職 | 人材紹介 |
| MS-Japan | 管理部門・士業 | 人材紹介+ダイレクトリクルーティング |
| ハイスタ(会計士/税理士) | 公認会計士・USCPA・税理士・科目合格者 | 人材紹介(両手型) |
BEET-AGENT|管理部門の責任者採用を両手型の情報量で進められる
BEET-AGENTは、経理・財務、法務、人事労務、経営企画、内部監査といった管理部門の人材を、担当者クラスからCxOまで採用したい企業におすすめです。
企業向けの公式サイトでは、法務・経理財務・人事労務・経営企画・広報・内部監査に加え、弁護士・公認会計士・税理士・社労士といった士業も採用の対象職種として挙げています。
採用ポジションも、担当者・リーダー・課長・部長クラスから、執行役員・取締役、CxO、社外取締役・社外監査役まで選べる形になっています(2026年10月時点・公式サイト)。
[参照元]管理部門・バックオフィス人材の採用支援|BEET-AGENT
管理部門の責任者は、1社に1人しかいないポジションが多く、社内で後任を育てにくいという構造があります。そのため、経理部長や法務責任者の退職が決まると、同じ役割を経験した人を外部から短期間で探す必要に迫られます。
BEET-AGENTは、キャリアアドバイザーとリクルーティングアドバイザーの両方の役割を担う両手型の体制をとっており、企業の事情を把握した担当者が候補者に直接説明できます。上場企業やIPO準備中の企業、ベンチャー企業の管理部門ポジションを扱っている点も特徴です。
BEET-AGENTへの相談が向いている企業は次のとおりです。
- 経理部長・法務責任者など、管理部門の後任を短期間で採用したい企業
- IPO準備に向けて、管理部門の体制を整えたい企業
- 管理部門と士業の両方を、同じ窓口に相談したい企業
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運営会社 | 株式会社アシロ |
| 対象職種 | 経理財務、法務、人事労務、経営企画、広報、内部監査、士業ほか |
| 対象ポジション | 担当者クラス〜CxO、社外取締役・社外監査役 |
| 返戻金 | 通常は1か月以内の退職で80%、3か月以内の退職で50%(取引先ごとに設定) |
| 企業向けページ | https://beet-agent.com/recruiting/ |
| 確認日 | 2026年10月14日 |
EXE[エグゼ]|社外取締役・監査役の候補者を、役員経験者に絞って探せる
EXE[エグゼ]は、社外取締役や常勤・非常勤の監査役、女性役員の候補者を探している企業におすすめです。
公式サイトでは、経験年数10年以上、兼務社数5社以下、女性の社外役員候補を含む2,000名以上の専門家とマッチングできるとしています。
紹介するのは社外取締役・社外監査役の経験がある人材に限っており、弁護士、公認会計士、税理士、社会保険労務士、司法書士、弁理士といった資格の有無を指定して相談できます(2026年10月時点・公式サイト)。IPO準備企業向けのサービスも用意しています。
[参照元]社外取締役・非常勤監査役の選任依頼|EXE[エグゼ]
社外役員の選任では、従業員の採用とは別の難しさがあります。候補者の多くは本業を持つ士業や経営経験者で、すでにほかの会社の役員を兼ねていることも少なくありません。兼任社数が多い候補者は、取締役会への出席や事前の資料確認に十分な時間を割けるかどうかが問われやすくなります。
EXE[エグゼ]が候補者の基準として兼務社数5社以下を掲げている点は、こうした実効性の懸念を事前に減らすうえで判断材料になります。
上場企業では独立社外取締役を増やす動きが続いており、候補者の取り合いも起きています。株主総会のスケジュールから逆算して、早めに候補者と面談しておくことが大切です。
EXE[エグゼ]への相談が向いている企業は次のとおりです。
- 独立社外取締役を増員したいプライム市場・スタンダード市場の上場企業
- IPOに向けて、社外役員や監査役を選任したい企業
- 弁護士・公認会計士など、特定の資格を持つ社外役員を探している企業
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運営会社 | 株式会社アシロ |
| 紹介対象 | 社外取締役、常勤監査役、非常勤監査役、女性役員候補ほか |
| 候補者の基準 | 経験年数10年以上、兼務社数5社以下、社外役員経験者 |
| 指定できる資格 | 弁護士、公認会計士、弁理士、社会保険労務士、司法書士、税理士 |
| 企業向けページ | https://exe-pro.jp/approach/ |
| 確認日 | 2026年10月14日 |
JACリクルートメント|外資系やグローバル展開に関わる管理職を、両面型の体制で探せる
JACリクルートメントは、外資系企業や海外展開を進める企業で、管理職・専門職・経営幹部を採用したい企業におすすめです。
公式サイトでは、業界別の専門チームに加えて、取締役・監査役・社外取締役・CxOを扱うエグゼクティブのチームや、経営企画・法務・人事などを扱う管理部門のチームを設けていると案内しています(2025年9月時点・公式サイト)。
管理部門のチームが扱う領域として、経営企画、監査・内部統制、人事・労務、法務・コンプライアンス、IR・広報などを挙げています。拠点は国内13拠点・海外11か国としています。
[参照元]ハイクラスの転職エージェント JACリクルートメント(ジェイエイシーリクルートメント)【公式】
同社は、1人のコンサルタントが企業と転職希望者の双方を担当する「両面型」のビジネスモデルを掲げています。
外資系企業や日系企業の海外部門では、英語での面接や本国の承認プロセスが加わるため、選考の段取りが複雑になりがちです。採用背景や組織の事情を直接聞いた担当者が候補者にもそのまま説明する両面型の体制は、こうした複雑な選考で情報の行き違いを減らしやすい仕組みです。
JACリクルートメントへの相談が向いている企業は次のとおりです。
- 外資系企業や、海外事業を担う管理職を採用したい企業
- 英語力と専門性の両方を求めるポジションを採用したい企業
- 事業責任者やCxOなど、経営幹部の採用を検討している企業
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運営会社 | 株式会社ジェイエイシーリクルートメント |
| 対象領域 | 管理職・専門職・経営幹部、外資系・グローバル |
| 体制 | 両面型、業界別・職種別の専門チーム |
| 拠点 | 国内13拠点・海外11か国 |
| 公式サイト | https://www.jac-recruitment.jp/corporate/ |
| 確認日 | 2026年10月14日 |
ビズリーチ|候補者に直接スカウトを送り、自社主導で採用を進められる
ビズリーチは、紹介会社に任せるだけでなく、経営者や採用担当者が自ら候補者を探して声をかけたい企業におすすめです。
法人向けの公式サイトでは、独自の審査を通過した会員のうち、スカウトを送れる会員が342万人以上いるとしています。
導入企業は累計43,900社以上で、採用予定人数や時期に合わせて4つの料金プランから選べる仕組みです。正社員のほか、顧問や業務委託、副業といったポジションの求人も掲載できると案内しています(いずれも2026年4月末時点・公式サイト)。
[参照元]【公式】法人向けビズリーチ|即戦力採用を検討中の企業担当者様向け
ダイレクトリクルーティングの強みは、紹介会社のフィルターを通さず、データベースの中から自社の目で候補者を選べる点です。人材紹介では、紹介会社が「この企業には合わない」と判断した人は推薦されません。
一方、スカウト型であれば、経歴が少し異なっていても可能性を感じた人に、自社の判断で声をかけられます。
その分、スカウト文の作成や候補者との面談は自社で担う必要があります。運用に不安がある場合は、全国6か所のオフィスに在籍するコンサルタントが活用を支援すると案内しています。
ビズリーチの利用が向いている企業は次のとおりです。
- 経営者や事業責任者が、自ら候補者と話せる体制がある企業
- 管理職を複数名、継続して採用する予定がある企業
- 顧問や業務委託として、専門家を迎えることも検討している企業
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運営会社 | 株式会社ビズリーチ |
| 形態 | ダイレクトリクルーティング |
| スカウト可能会員数 | 342万人以上(2026年4月末時点) |
| 料金体系 | 4つの料金プランから選択 |
| 公式サイト | https://bizreach.biz/ |
| 確認日 | 2026年10月14日 |
パソナキャリア|年収700万円以上の管理職・管理部門を、成功報酬型で幅広く探せる
パソナキャリアは、年収700万円以上の管理職や管理部門の人材を、業界ごとの専門チームに任せて採用したい企業におすすめです。
法人向けの公式サイトでは、採用支援実績のうち年収700万円以上のハイクラス人材が約60%、ハイクラスの管理部門系職種が約40%を占めるとしています(2026年7月時点・公式サイト)。
費用は初期費用0円の完全成功報酬型です。自社のデータベースに加えて大手各社のスカウトデータベースとも連携し、候補者にアクセスしていると案内しています。
[参照元]【法人向け】人材紹介サービス(パソナキャリア採用)|パソナ
ハイクラス人材は、複数の転職サービスに少しずつ登録していることが多く、1つのデータベースだけでは接点を持てない候補者もいます。自社の登録者に加えて外部のスカウトデータベースにも当たれる体制は、母集団を広げたい採用で効いてきます。
また、パソナキャリアは職業紹介優良事業者に認定されていると公式サイトに表示しています。選び方の章で触れた、人材サービス総合サイトの認定マークを確かめる観点とも合う依頼先です。
女性管理職の採用支援に力を入れている点も、公式サイトで強みとして挙げています。
パソナキャリアへの相談が向いている企業は次のとおりです。
- 部長・課長クラスの管理職を、幅広い候補者から探したい企業
- 管理部門の採用を、専任のコンサルタントに任せたい企業
- 女性管理職の採用を進めたい企業
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運営会社 | 株式会社パソナ |
| 対象領域 | 年収700万円以上のハイクラス、管理部門、女性管理職、業界別の専門職 |
| 料金体系 | 初期費用0円の完全成功報酬型 |
| 認定 | 職業紹介優良事業者 |
| 企業向けページ | https://www.pasona.co.jp/ |
| 確認日 | 2026年10月14日 |
MS-Japan|管理部門・士業の採用を、紹介とスカウトの両方で進められる
MS-Japanは、管理部門・士業の採用で、人材紹介とスカウトを組み合わせて母集団を広げたい企業におすすめです。
企業向けの公式サイトでは、管理部門・士業に特化した人材紹介会社として30年の実績があるとしています。
経理・財務、税務、法務・知財、経営企画、内部監査に加え、CFOや常勤・非常勤の監査役、公認会計士・弁護士などの士業、会計事務所や法律事務所といったプロフェッショナルファームの採用にも対応しています。
費用は初期費用のかからない完全成功報酬型で、成功報酬の料率は対象となる人材によって異なると案内しています(2026年10月時点・公式サイト)。
[参照元]求人企業の皆様へ|管理部門・士業の採用ならMS-Japan
MS-Japanの特徴は、人材紹介に加えて、企業が求職者に直接スカウトを送れるサービスも提供している点です。同社は、2つのサービスを同時に依頼できると公式サイトで案内しています。
管理部門の採用では、候補者が同じ職種の求人を複数の窓口で見ていることが多く、紹介を待つだけでは他社に先を越されることがあります。紹介とスカウトを1社でまとめて使えれば、待ちと攻めを同時に進めながら、候補者の重複も管理しやすくなります。
拠点は東京のほか、横浜・大阪・名古屋にあると案内しています。
MS-Japanへの相談が向いている企業は次のとおりです。
- 管理部門の採用で、紹介とスカウトを併用したい企業
- CFOや監査役から、担当者クラスまで幅広く採用したい企業
- 会計事務所・法律事務所など、プロフェッショナルファームとして士業を採用したい事業者
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運営会社 | 株式会社MS-Japan |
| 対象職種 | 管理部門全般、CFO、監査役、士業、プロフェッショナルファーム、外資・金融 |
| 料金体系 | 初期費用なしの完全成功報酬型(料率は対象人材により異なる) |
| 拠点 | 東京、横浜、大阪、名古屋 |
| 企業向けページ | https://www.jmsc.co.jp/corporate/ |
| 確認日 | 2026年10月14日 |
ハイスタ(会計士/税理士)|会計士・税理士の採用を、資格者に特化した両手型の窓口で進められる
ハイスタは、公認会計士・USCPA・税理士・科目合格者を採用したい事業会社や会計事務所・税理士法人におすすめです。
ハイスタは、公認会計士・USCPA・試験合格者を対象とする「ハイスタ会計士」と、税理士・科目合格者を対象とする「ハイスタ税理士」に分かれた士業特化の人材紹介サービスです。
どちらも、キャリアアドバイザーが事務所・企業とのパイプも担う両手型を採用していると公式サイトで案内しています(2026年10月時点・公式サイト)。
企業からの採用相談は、公式サイトの「即戦力の公認会計士/税理士採用支援サービス」から、アシロの士業採用窓口で受け付けています。
[参照元]ハイスタ|士業特化の転職エージェント・専門求人紹介サイト
会計・税務の資格者は、採用市場で売り手が強い職種です。厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)によると、税理士の有効求人倍率は2.38倍(令和7年度)で、賃金(年収)は810.8万円でした。
資格者の候補者の多くは監査法人や会計事務所に在籍しています。こうした候補者は、事業会社の経理や税務の仕事を具体的にイメージしにくいため、求人票だけでは応募の判断を後押ししにくいのが実情です。
資格者の転職を専門に扱い、企業側の事情も直接把握している担当者であれば、資格や経験をどう活かせるポジションなのかを候補者に説明できます。
ハイスタへの相談が向いている企業は次のとおりです。
- CFO候補やIPO準備を担う公認会計士を採用したい事業会社
- 税務責任者や、税理士資格を持つ経理人材を採用したい企業
- 税理士・科目合格者のスタッフを採用したい会計事務所・税理士法人
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運営会社 | 株式会社アシロ |
| 対象職種 | 公認会計士、USCPA、試験合格者、税理士、科目合格者 |
| 体制 | 両手型 |
| 返戻金 | 通常は1か月以内の退職で80%、3か月以内の退職で50%(取引先ごとに設定。士業採用窓口の公表内容) |
| 企業向けページ | https://no-limit.careers/profession_recruitment/ |
| 確認日 | 2026年10月14日 |
ハイクラス人材紹介で採用を成功させる進め方
紹介会社に依頼しても、推薦がなかなか来ない、面接まで進んでも辞退される、といった悩みは珍しくありません。
ハイクラス採用では、紹介会社の力量と同じくらい、依頼する企業側の準備が結果を左右します。ここでは、依頼前から入社後までの流れに沿って、企業がやっておきたい6つのことを解説します。
求める役割と成果を言語化して要件定義をつくる
推薦の質を上げるいちばんの近道は、要件定義を具体的にすることです。
紹介会社は、要件定義をもとに候補者を探し、候補者に求人を説明します。要件があいまいなままだと、紹介会社は誰に声をかければよいか判断できず、候補者にも仕事の魅力が伝わりません。
要件定義には、次の4つを書き出しておくと十分です。
- 入社後に任せる役割と、1年後に期待する成果
- 必須の経験(「あれば望ましい」経験とは分けて書く)
- 部下の人数、報告先、決裁権限の範囲
- 採用の背景(新設、増員、後任など)
とくに「必須」と「歓迎」を分けることが大切です。条件をすべて必須にすると、該当する候補者がほとんどいなくなり、推薦がゼロのまま時間だけが過ぎてしまいます。
紹介会社との初回の打ち合わせで「この条件だと、候補者は何人くらいいそうか」を聞き、必要に応じて条件を見直しましょう。
年収レンジは市場相場から逆算して決める
ハイクラス採用で辞退がもっとも起きやすいのが、年収の段階です。社内の等級表だけで年収レンジを決めると、候補者の現年収や、他社が提示している額に届かないことがあります。
年収レンジを決めるときは、まず公的な統計で役職ごとの水準をつかみ、次に紹介会社から直近の決定年収を聞く、という順番で進めると効率的です。
この記事の冒頭で紹介したとおり、賃金構造基本統計調査では、部長級の所定内給与は月63万5,800円でした。統計は全体の平均なので、業界や企業規模、専門性によって実際の相場は上下します。
紹介会社は日々の選考で決定年収を見ているため、「このポジションで、直近に決まった人の年収はいくらか」を具体的に聞いてみてください。
既存社員とのバランスから年収を上げにくい場合は、役職手当や賞与、ストックオプション、リモートワークなどの働き方で補えないかを検討しましょう。
候補者は年収だけで判断しているわけではないため、条件全体で魅力を示すことが大切です。
初回の面接から経営陣が関わる
ハイクラス人材は、複数の企業から同時に声がかかっていることが多いため、企業側も「選ぶ」だけでなく「選ばれる」立場にあります。候補者がいちばん知りたいのは、経営陣が何を考え、自分に何を期待しているのかという点です。
そのため、管理職以上の採用では、初回の面接から経営陣や事業責任者が同席することをおすすめします。
人事担当者だけの一次面接を何度か挟むと、候補者は経営陣と話す前に関心を失ってしまうことがあります。
面接は、候補者を見極める場であると同時に、自社の課題と将来像を伝える場でもあります。経営陣が自分の言葉で事業の方向性や課題を語ると、候補者は入社後の役割を具体的にイメージしやすくなります。
選考は1〜2週間単位でスピードを設計する
ハイクラス採用で候補者を失う理由として多いのが、選考の遅れです。書類選考の返事に1週間以上かかったり、面接の日程調整に手間取ったりしているうちに、候補者が他社の内定を承諾してしまうことがあります。
依頼の段階で、次のような目安を社内で決めておくと、選考が滞りにくくなります。
| 選考の段階 | 目安 |
|---|---|
| 書類選考の回答 | 推薦から3営業日以内 |
| 一次面接 | 書類通過から1週間以内 |
| 最終面接 | 一次面接から1〜2週間以内 |
| 内定の提示 | 最終面接から1週間以内 |
目安はあくまで一例です。経営陣の日程を先に押さえておく、面接の合否は当日中に紹介会社へ伝える、といった小さな工夫を積み重ねるだけでも、選考期間は大きく縮まります。
社内の課題や組織図を紹介会社へ率直に共有する
紹介会社は、企業から聞いた情報をもとに候補者へ求人を説明します。そのため、企業が開示する情報が少ないほど、候補者への説明も薄くなり、応募につながりにくくなります。
とくに共有しておきたいのが、組織の課題です。「経理部門の業務が属人化していて、仕組みを作り直せる人が必要」「法務部門が1人体制で、契約審査が滞っている」といった課題は、ハイクラス人材にとって「自分が入る意味」を感じられる情報です。
組織図や、配属先のメンバー構成、前任者が退職した理由なども、差し支えのない範囲で伝えておきましょう。
候補者がどのような基準で転職エージェントや求人を選んでいるのかを知っておくと、紹介会社に伝えるべき情報も見えてきます。求職者側の視点は、ハイクラス向け転職エージェントの選び方(求職者向け)でも解説しています。
オファー面談と入社後のオンボーディングまで準備しておく
内定を出したあとも、候補者が承諾するまでは採用が決まったとはいえません。ハイクラス人材は、現職から強い引き止めを受けることも多く、内定から承諾までの期間に気持ちが揺れやすくなります。
内定を提示するときは、条件の説明だけで終わらせず、オファー面談の場を設けましょう。入社後の役割、最初の3か月で取り組んでほしいこと、評価の仕組みを経営陣から直接伝えると、候補者は入社後の姿をイメージしやすくなります。
入社後のオンボーディングも、早期離職を防ぐうえで欠かせません。管理職として迎えた人材ほど、社内の人間関係や暗黙のルールを知らないまま成果を求められがちです。
キーパーソンとの面談を入社直後に設定するなど、立ち上がりを支える準備をしておくと、返戻金の対象期間を過ぎたあとも長く活躍してもらいやすくなります。
ハイクラス採用で人材紹介を使うときの注意点
人材紹介は便利な採用手法ですが、使い方を誤ると、費用だけがかかって採用につながらないこともあります。
ここでは、ハイクラス採用でとくに気をつけたい4つの点をまとめます。
推薦が少ないときは、条件か依頼先を見直す
依頼から1か月たっても推薦が来ない場合は、条件か依頼先のどちらかに原因があると考えましょう。
条件に原因がある場合、紹介会社は「候補者はいるが、提示年収や必須条件に合う人がいない」と判断しています。担当者に率直に理由を聞き、年収レンジや必須条件を見直すことを検討してください。
依頼先に原因がある場合は、その紹介会社の登録者に、求める職種の候補者が少ないことが考えられます。総合型に依頼していて推薦が来ないなら特化型に、登録型で見つからないならサーチ型やダイレクトリクルーティングに、というように、手法や依頼先を切り替えることも選択肢です。
複数の紹介会社に依頼すると、同じ候補者が重複して推薦されやすい
ハイクラス人材は複数の紹介会社に登録していることが多いため、2社以上に依頼すると、同じ候補者が別々の会社から推薦されることがあります。
どちらの紹介会社経由で採用したかが曖昧になると、手数料の支払先をめぐってトラブルになりかねません。
重複推薦への対応は、契約書や紹介会社ごとの取り決めで扱いが異なります。
先に推薦した紹介会社を優先すると定める契約もあるため、推薦を受けた日時は必ず記録しておきましょう。推薦の受付を人事部門の1つの窓口にまとめ、候補者の氏名と受付日を一覧で管理しておくと、重複にすぐ気づけます。
紹介された候補者からの直接応募にも、手数料が発生することがある
紹介会社から推薦を受けた候補者が、その後、自社の採用ページや別のルートから直接応募してくることがあります。このような場合でも、契約で定めた期間内であれば紹介会社に手数料を支払う、と定めている契約は少なくありません。
「紹介会社を通さなければ手数料を払わずに済む」と考えて、候補者に直接連絡を取るのは避けてください。
契約違反として違約金を請求されるおそれがあるだけでなく、紹介会社との信頼関係も損なわれます。選び方の章で触れたとおり、直接応募時の扱いと対象期間は、契約前に確認しておくことが大切です。
早期離職しても、返戻金で全額が戻るわけではない
返戻金制度があっても、入社した人が早期に退職したときに手数料が全額戻るとは限りません。先に紹介したとおり、返戻率は退職までの期間に応じて段階的に下がるのが一般的で、対象期間を過ぎれば返戻はありません。
さらに、ハイクラス人材の早期離職は、手数料の損失だけでは済みません。
採用にかけた社内の時間、ポジションが空くことによる業務への影響、後任を探し直すコストも発生します。返戻金はあくまで最後の安全網と考え、要件定義やオファー面談、オンボーディングで早期離職そのものを防ぐことに力を注ぎましょう。
よくある質問(FAQ)
人材紹介の手数料は誰が払うのですか?
原則として、採用する企業が払います。職業安定法では、求職者から手数料を受け取れる場合が限られているためです。
ただし例外として、経営管理者、科学技術者、熟練技能者の職業で、紹介により就職した仕事の賃金が年収700万円またはこれに相当する額を超える場合には、求職者から手数料を受け取ることが認められています。実際には、多くの人材紹介会社が求職者の利用を無料としています。
[参照元]職業紹介事業パンフレット-許可・更新等手続マニュアル-(令和7年4月)|厚生労働省
人材紹介手数料の勘定科目と計上時期はどうなりますか?
人材紹介手数料は、「採用費」や「支払手数料」などの勘定科目で費用として処理するのが一般的です。
計上する時期は、契約で定めた手数料の発生時点、多くの場合は紹介された人が入社した日が目安になります。ただし、具体的な処理は契約内容や会社の会計方針によって異なるため、顧問税理士や監査法人に確認してください。
1名の採用からでも依頼できますか?
依頼できます。人材紹介は成功報酬型が基本なので、採用人数が1名でも、入社が決まったときにだけ手数料が発生します。
ハイクラス採用では、むしろ1名のポジションごとに依頼するのが一般的です。
ただし、最低手数料が設定されている紹介会社もあるため、年収が低めのポジションでは手数料が料率どおりにならないことがあります。
内定を辞退された場合も費用は発生しますか?
成功報酬型の契約であれば、通常は内定を辞退された場合には費用は発生しません。
手数料が発生するのは、契約で定めた条件(多くは入社)を満たしたときです。
ただし、サーチ型のように着手金を支払う契約では、内定辞退の有無にかかわらず着手金が戻らないことがあります。契約書で手数料の発生条件を確認しておきましょう。
正社員ではなく、顧問や社外役員として迎えることはできますか?
できます。社外取締役や監査役を探す場合は、EXE[エグゼ]のような社外役員の紹介サービスを使う方法があります。
顧問や業務委託として専門家を迎えたい場合は、ビズリーチのように、正社員以外のポジションの求人を掲載できるサービスもあります。
役員の選任は株主総会での手続きが必要になるため、従業員の採用より早めにスケジュールを組んでおきましょう。
まとめ
ハイクラス人材紹介は、管理職や専門職を、採用が決まったときだけ費用が発生する成功報酬型で紹介してもらえる採用手法です。
管理職・専門職の手数料率は理論年収の30%台が中心で、年収1,000万円の採用であれば300万〜350万円程度が目安になります。
ハローワークに管理職の求人がほとんど集まっていないことや、転職を考えながら動いていない人が多いことを考えると、ハイクラス人材に届くには、人材紹介やスカウトといった民間のチャネルを使うのが現実的です。
一方で、手数料が大きい分、依頼先の見極めと契約内容の確認が欠かせません。
依頼先を選ぶときは、採用したい職種の専門性に加えて、人材サービス総合サイトで公開されている紹介実績、職種別の平均手数料率、返戻金規定を確かめましょう。そのうえで、要件定義と年収レンジを固め、経営陣が早い段階から選考に関わると、推薦の量と質が変わってきます。
まずは、次の3つから始めてみてください。
- 採用したいポジションの役割・必須条件・年収レンジを、1枚の要件定義シートにまとめる
- 人材サービス総合サイトで、依頼先候補の紹介実績と手数料率を確認する
- 職種に強い紹介会社2〜3社に相談し、候補者の見込み人数と相場感を聞く
管理部門の採用はBEET-AGENT、公認会計士・税理士の採用はハイスタ、社外取締役・監査役の選任はEXE[エグゼ]でも相談を受け付けています。